びっくり!なのでここで文化財について簡単に説明しておきますね。
まず、文化財には大きく2つの種類があります。一つは重要文化財(国宝)。わかりやすく言うと奈良の法隆寺などです。
もう一つは登録有形文化財です。文化庁のHPによると登録有形文化財とは次のような説明になっています。
”平成8年10月1日に施行された文化財保護法の一部を改正する法律によって,保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を,文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。この登録制度は,近年の国土開発や都市計画の進展,生活様式の変化等により,社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるもので,従来の指定制度(重要なものを厳選し,許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完するものです。” ※文化庁HPより
また、登録有形文化財の登録基準としては、築50年以上の建築物で、国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、そして再現することが容易でないものが有形文化財として登録ができるのです。
国宝級の重要文化財は主にその保存を目的としているため、建築物の使用としてはかなり高いハードルが設けられています。
しかし登録有形文化財の場合は活用を想定しているため、重要文化財より緩やかな制限で、実際にカフェや宿泊施設などに活用されている事例が全国に広がっています。
最近ではスターバックスが青森県弘前市に1917年に建てられた元陸軍官舎(登録有形文化財)を店舗として活用しているなど、その建物の歴史を引き継ぎながら新しい価値を吹き込み人々を魅了している事例などが有名です。
さて、今回の物件ですが、1935年(昭和10年)に建築され、昭和42年まで郵便局として利用されていた建物です。
浜松駅から南東に約7㎞ほどの距離、天竜川に掛かる掛塚橋を渡って横道に入ってすぐの場所に佇むひときわ目を引く外観です。
物件の位置する掛塚は江戸時代に港町として栄え、江戸と大阪の中継基地として水運物流の拠点となり、多くの人と文化が交わる街でした。
明治に東海道本線が開通して物流が水運から汽車に変わったこと幾度の大火により街の中心が消失したこともありそれまでの活気が失われつつあった昭和初期にこの建物が建てられたようです。
建築当時としては大変モダンな建築物だったのだと思います。街の活気が失われつつある掛塚の街に近代的な郵便局舎が建ったことで街も地域の人々も活気を取り戻したのではないでしょうか?
郵便局舎は掛塚の街を元気にしたいという想いを込めてこのような近代的な建物にしたのではないかと想像しています。
この建物を活用することで、歴史を引き継ぎ、そして新たな掛塚の価値を創造していただきたいというのがオーナーの想いです。
実はこの建物、旧郵便局局舎とつながって広々とした日本家屋がつながっており、さらにその奥には石蔵もあります。今回の募集は局舎部分のみとしていますが、この建物全体を活用してくれる方がおりましたら優先とさせていただきます。
駐車場については現状では建物全面に2台ほど停められるスペースがあるのみなので、近隣の空き地の地主さんに交渉して駐車スペース確保も考える必要があります。
建物の外観および内装などほぼ当時のままの状態で、きれいに維持されております。この外観と雰囲気を活かしながら新しい価値を生み出してください。
ご興味のある方は一度当社事務所で打ち合わせの上、活用方法についてヒアリングさせて頂いたうえでオーナー様にアポイントを取って物件の内見とさせてください。
また、今回はこの物件の再生にふさわしい事業の経験者に活用していただきたいと思っております。そのため事前に事業経験などをお伺いさせて頂きますのでご了承ください。
また、文化財を地元のために活用するというマインドがある方に限らせていただきます。そのあたりも内見前に事前にヒアリングさせて頂きたいと思いますのでご了承お願いいたします。