本物件は、117㎡という十分な広さを持ちながら、間仕切りのない“ひとつながり”の空間に生まれ変わった、極めてユニークな住宅です。
23帖のLDKを中心に、12帖、14帖、9帖の空間が壁なく連続し、すべてがワンルームとしてデザインされています。
小屋裏を見せることで実現した天井の高さと、南側の掃き出し窓から草原を望む眺望は、まるでアートのような開放感を演出。
暮らす人の感性に寄り添う、極めて自由度の高い空間構成となっています。
浴室にもあえて壁は設けず、カーテンによる緩やかな仕切りでプライバシーを担保。
日常の枠を取り払うような大胆な設計が、住まいに“余白”をもたらし、暮らしの可能性を大きく広げています。
建築的にも大きな改修が施されており、屋根は瓦からガルバリウム鋼板へと張り替えられ、外断熱仕様に。
床下断熱も施工されており、断熱性を確保しながら、天井のない大空間を快適に保つ工夫がなされています。
キッチンはシンプルでミニマル。
そのままでは収納スペースが限られるため、ご自身で棚や収納家具を組み合わせることで、よりパーソナルな空間へとカスタマイズが可能です。
かつて農家だった名残として、コンクリート土間の納屋スペースも付帯。
ガレージハウスやワークスペースとしての活用も期待できるポテンシャルを秘めています。
ただし、シャッターは旧式のため、交換が必要となります。
建物外壁には杉板が使用されており、現在は無塗装。
お好きなカラーで塗装することで、外観に個性を加えることができます。
また、かつてのまま残されたブリキの波板もあり、懐かしさと素朴さが共存する独特の美しさを感じさせます。
■デメリット・注意点
本物件には魅力と同時に、いくつかの明確な制約も存在します。
アクセス道路が狭く、車での出入りには慣れが必要です。
家族向け住宅として利用する場合は、壁や扉などの間仕切り工事が別途必要となり、追加のコストが発生します。
建物自体が築古のため、耐震性は現在の基準と比べると劣ります。
空間が広いため、空調効率の確保には工夫が求められます。
現状、エアコン用コンセントは5箇所に設置されていますが、200V電源は1箇所のみとなっています。
屋根がガルバリウム鋼板のため、雨天時には雨音が響きやすく、静音性を求める方には注意が必要です。
■おすすめの活用方法
通常の住まいとしての利用はもちろん、アトリエやスタジオ、シェアスペース、または民泊事業など、多用途に活用可能な本物件。
近年ニーズが高まっている「自然に囲まれた非日常空間」としてのセカンドハウスや、長期滞在型の宿泊施設としても魅力を発揮します。
併設されている農地を活かして、家庭菜園や小規模な自給農的ライフスタイルを取り入れることも可能です。