日本における不動産価値の一つの判断基準である『築年数』。
この物件は築年数だけで見ると誤った判断になってしまいます。
昭和34年。僕が生まれるもっと前に建てられた平屋を、柱と梁だけを残して内外装すべてをフルリノベーションして生まれ変わらせた物件だからです。
設計はリージョン・スタディーズの白坂隆之介。施工は水田建設の手によって生まれ変わったこの平屋、日本の空家問題や中古住宅流通問題の解決策として白坂が考えた『ヤドカリプロジェクト』にて自ら設計し、住み、売却し、また住み替えるというプロジェクトの第一号物件である。
自分が住むからには徹底的にこだわる。実際細部にまでこだわりを感じるデザイン。それだけでなく住宅性能にもかなりのこだわりを貫いた安心のリノベーション物件なのである。
玄関ドアがどこにあるのかわからない。ポリカ波板のアウトセット引き戸となっているため、外観からはどこから入るのか全く分からない。乳白の波板からは光を取り込み、夜には室内の照明がうっすらと透過する。玄関にすら美を感じる。
居室はシンプルなワンルーム。インターロッキングを敷き詰めた土間が9.5帖と無垢の杉材を使った床部分が10帖ある。間仕切りはない。天井は小屋裏まで吹き抜けた空間。そこに60年前からここに存在する柱や梁がリノベーションの象徴として残されている。
南側には庭があり、高さ2.1m、幅2.4mの大型の掃き出し窓2枚がリビングと庭の空間をつなげる。開放感を感じる。
水回りは風呂・トイレ・洗面・室内洗濯機置き場、キッチンとコンパクトかつ機能的にまとめられている。そしてその上には寝室になるロフトがある。
外観も美しい。ステンレス色に輝くガルバリウム鋼板。
白坂のこだわりはデザインだけではない。住宅性能にも徹底的にこだわっている。
今回のリノベーションで、耐震等級3、断熱等級4、劣化等級3を実現している。ともに最高水準の等級である。
柱や梁を残さなければ新築となったはずなのに、なぜわざわざそれを残してリノベーション物件としたのか。
それは、白坂が実現したい日本の住宅の未来である。
中古住宅でも安心して購入できる世の中になれば日本の空家問題や中古住宅流通問題に一石を投じることができ、世の中が変わっていくのではという想いに他ならない。
実際にこの物件は新聞各社やテレビにも取り上げられ、鴨江という街の中で新たな価値を生み出してきた。
今回の売却についてはそんな想いを共有できる方に購入してもらいたい。
詳細情報Detail-Information
構造 | 木造平屋建 | 築年 | 昭和34年3月 |
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リノベーション年 | 2018年2月 | 取引態様 | 仲介 |
契約形態 | 仲介 | 担当者 | 古橋啓稔 |
現況 | 居住中 | 引き渡し時期 | 相談 |
私道負担・道路 | |||
設備 | 風呂・トイレ・洗面・キッチン(IH3口コンロ)・温水洗浄便座・オール電化(エコキュート)・照明・庭 | ||
備考 | 設計:㈱リージョン・スタディーズ 施工:㈲水田建設 建蔽率60% 容積率200% 私道負担なし(セットバック済)道路:北側4m 土地権利:所有権 地目:宅地 用途地域:市街化区域 一種中高層 |