この物件は磐田市富士見町という丘陵地にある住宅街の頂上付近にあります。
一種低層住宅地域ということもあり、周囲にも敷地が広くとられた邸宅が並ぶ美しい街並みです。
その丘陵地の頂上、一番見晴らしがよい角地にあり、西面は石垣となっているため周囲の住宅も眼下にあります。
そのため磐田市内を見渡すことができ、そして空が広く感じることができる特別な場所に佇んでいます。敷地面積は215坪を超える広さです。
まず目を引くのが威厳を感じる門構え。その横には普通車が2台縦列駐車できる大きさのガレージがついています。
門をくぐると石だたみのアプローチがあり、その奥には芝生の日本庭園が広がります。その風景はとにかく「美しい」の一言です。
建物は56年前に建築された平屋の日本家屋。
これまで見てきた一般的な日本家屋と比較して素材にこだわり、細部にもこだわりぬいた建築だと素人目から見てもわかるくらいです。
玄関は黒の御影石のタイル張り、天井は網代編みの天井、上がり框は天然目の一枚板が使用されています。
玄関ホールも広く、その先の廊下で各部屋に通じています。
この情緒ある日本家屋の最大の特徴は「風と光を取り込みつつ、部屋によってそれぞれの風景を楽しむことができる物件」ということです。
外観を見ていただければ分かるのですが、4棟の建物を連結させたような造りになっています。そしてその4棟を約2mずつ奥にずらして段々に。
この建て方により、どの部屋にも南側の掃き出し窓と西側の腰窓が設置できるようになっています。
そして風通だけでなく光を各部屋にいきわたらせることができるのです。
10帖ある居間(リビング)は小上がりの6帖和室とつながっており、高さ2.1m幅6mあるL字の掃き出し窓から差し込む太陽光を十分に取り入れてくれます。
秀逸なのは、6帖の和室に通路側に向けて設置された腰高の障子。これにより建物内全体に風と光がいきわたる構造になっているのです。
そしてもうひとつ、12帖ある南洋室と8帖ある北和室は苔生す坪庭で隔たれており、北側の部屋にも風と光を取り入れられるような造りです。
これはしっかりと計算されて建てられているんだなと、本当に関心してしまいました。
各部屋から見える景色もそれぞれが違うのです。こちらもおそらくかなり考えて造られていると感じます。
リビングから見える景色は芝の日本庭園と開けた空です。東側12帖洋室からは、枯山水と四季を感じる樹木の風景。北8帖の和室からは苔生す坪庭。
それぞれの部屋で四季折々の違う景色を楽しむということまで考えられている。その細やかさこそが、この邸宅のすごさなのではないでしょうか。
私が感じたこの邸宅のすごさはこのつたない文章ではすべてはお伝えできないですが、もしこの日本家屋と同じものを再建築するとしたら、とてもこの売買価格で建てられるものではないと思います。
今年40歳のこの邸宅はきっと、次のご家族に引き継がれ100年、そしてそれ以上受け継がれていく宝ではないでしょうか。
購入したい方に向けて、注意すべきことがあるとすれば、クロス部分は経年で変色しています。
また、キッチンやお風呂などの水回りは最新のものではありません。生活には困ることはありませんが一部交換もお勧めです。
そのあたりを含めて購入にあたり多少のリフォーム費用は必要かと思います。
また、現在も所有者がお住まいになられておりますのでご内覧については必ずアポイントをお願いいたします。
趣を日常に。
美・悠・邸の暮らしはいかがでしょうか。